火事にあった家の解体はどう進める?り災証明・火災保険・焼け残りの片付けの順番を解説【岡山】

家が火事にあう。考えたくもないことですが、現実には当社でも年に何度か火災家屋の解体をさせてもらっています。
火災に遭うと、施主様は気持ちの整理がつかないまま焼けた建物の後始末を考えなければなりません。
「すぐに解体していいの?」「火災保険は使える?」「何から手をつければいい?」
と戸惑う方も多いようです。
火災にあった家の解体は、消防署での手続きと保険会社への連絡を先に済ませてから進めるのが基本です。
この記事では、岡山の解体工事専門店「おまかせ解体」が、火事にあった家を解体するまでの順番と、岡山市での手続きを解説します。
この記事の結論
- まず消防署へ「火災損害届」
おまかせ解体の拠点がある岡山市では、火災のあった日からおおむね7日以内に、管轄の消防署などへ提出します(岡山市消防局)。 - 「り災証明書」を受け取る
火災保険の請求、固定資産税、焼けた物の処分、建物の滅失登記などの手続きに使う大事な書類です。岡山市では即日交付・手数料無料です。 - 解体や片付けの前に保険会社へ連絡
保険があるならまず保険会社へ確認が重要です。損害の確認作業が終わる前に片付けてしまうと、被害状況を説明しにくくなります。 - 片付け・取り壊しの費用が補償されることも
契約によっては、焼け残った物の片付けや取り壊しの費用が補償に含まれる場合があります。名称や上限は保険会社・契約時期で異なるため、契約内容を確認しましょう。 - 滅失登記は建物消滅後から
基本的には解体から1か月以内に法務局へ建物滅失登記を申請しますが、火事で全焼した場合は全焼した日が基準となり、その日から1か月以内に申請しなくてはなりません。(不動産登記法57条)。
火事にあった家を解体するまでの順番は?
火災にあった家を解体するまでの一般的な流れは、次のとおりです。
| 順番 | やること | 連絡先 |
|---|---|---|
| 1 | 火災損害届を提出する(岡山市では火災からおおむね7日以内) | 管轄の消防署・分署・消防出張所 |
| 2 | り災証明書を受け取る | 消防署・消防出張所 |
| 3 | 火災保険の事故の連絡をし、片付け・解体を進めてよいか確認する | 保険会社・代理店 |
| 4 | 解体業者に現地調査と見積もりを依頼する | 解体業者 |
| 5 | 電気・ガス・水道などの停止・撤去を連絡する | 電力会社・ガス会社・水道局など |
| 6 | 解体工事 | 解体業者 |
| 7 | 建物滅失登記を申請する(原則、解体から1か月以内。全焼の場合は全焼した日から1か月以内) | 法務局 |
全焼した場合は、滅失登記の期限を火災の日から数えるため、解体工事より先に期限が来ることがあります。

り災証明書を受け取ったら、早めに法務局や土地家屋調査士に相談しましょう。また、電気・ガス・水道の手続きは「《解体工事》電気・ガス・水道どうする?」で詳しく解説しています。
《火事の解体》消防署での手続きは?り災証明書とは?
火災損害届を出す
岡山市消防局では、火災で被害を受けた建物や家財が誰の所有なのか、所有関係を明確にし、損害の内容を調査するために、「火災損害届」の提出を求めています。提出先は管轄の消防署・分署・消防出張所で、火災のあった日からおおむね7日以内に提出するよう案内されています。被害を受けた建物が複数ある場合は、建物1棟ごとに提出します。
ちなみに、岡山市中区(中消防署の管轄)の火災は、Webでの受け付けも案内されています。中区以外の場合は、管轄の消防署に問い合わせましょう。
り災証明書を受け取る
「り災証明書」は、”火災により損害を受けた事実”を証明する書類で、管轄の消防署長が交付します。交付は、消防署の調査員が現場を確認したものに限られますが、出火原因や損害額を一つひとつ証明するものではありません。
岡山市では、管轄以外の消防署・消防出張所でも申請・受け取りができ、即日交付が可能です。手数料は無料です。本人確認書類(免許証など)が必要で、親族以外の代理人が申請する場合は委任状が必要です。
り災証明書は、火災のあとのさまざまな手続きで使います。岡山市消防局の資料では、提出先の例として次のようなものが挙げられています。
| 手続き | 提出先の例 |
|---|---|
| 火災保険などの保険請求 | 保険会社など |
| 固定資産税 | 各区役所市税事務所 |
| 市民税・雑損控除 | 各区役所市税事務所 |
| 焼けた物を処分するとき | 市役所環境事業課 |
| 建物の滅失登記 | 法務局 |
手続きごとに必要になるため、何枚必要になるかを考えて受け取っておくと安心です。
《火事の解体》火災保険で解体費用は出る?何を確認すればいい?
どこまでが火災保険の補償範囲かは契約内容によりますが、場合によっては建物そのものの損害だけでなく、焼け残った物の片付けや、建物の取り壊しにかかる費用が補償に含まれることがあります。「残存物取片づけ費用」などの名目で契約内容に記載されていることが多いようです。
ただし、この費用が「別枠の保険金として支払われるのか」、「損害保険金にまとめて含まれるのか」、「上限がいくらか」は、保険会社や契約した時期によって異なります。実際に、保険会社によっては、過去の契約について取り扱いを変更しているケースもあります。ご自身の保険証券や約款で、次の点を確認しましょう。
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 補償の対象 | 建物だけか、家財も含まれるか |
| 片付け・取り壊しの費用 | 補償に含まれるか、上限はあるか |
| 請求に必要な書類 | り災証明書、被害状況の写真、解体工事の見積書など |
| 解体・片付けを始めてよい時期 | 保険会社の損害の確認が済んでいるか |
保険の請求に解体工事の見積書が必要になることもあります。保険会社から求められている書類があれば、見積もりを依頼するときに業者に伝えておきましょう。
解体や片付けは、保険会社に確認してから
焼けた建物は見た目にも危険で、早く片付けたいと思うものです。しかし、保険会社が損害の状況を確認する前に片付けや解体を進めてしまうと、被害の状況を説明しにくくなります。片付けや解体を始める前に、保険会社に進めてよいかを確認しましょう。また、被害の様子は、片付けの前に写真で残しておくと安心です。
《火事の解体》焼けた家財や廃材はどう処分する?
火災のあとに出る物は、大きく2つに分けて考えます。
- 焼け残った家財など
家庭の物を自分で処分する場合の扱いは、自治体によって異なります。例えば、岡山市消防局の資料では、焼けた物を処分するときのり災証明書の提出先として、市役所環境事業課が挙げられています。処分の方法は環境事業課に確認しましょう。 - 解体工事で出る廃材
解体業者が工事で出す廃材は、産業廃棄物として業者が処理します。詳しくは「解体工事で出たゴミは『産業廃棄物』?家庭ごみとの違いを解説」をご覧ください。
焼け残った家財など、家庭から出た廃棄物は一般廃棄物にあたり、処分する責任は建物の所有者にあります。岡山市では、焼けた物の処分について市役所環境事業課に相談しましょう。
また、業者に運搬や処分を頼む場合は、市町村の一般廃棄物の許可を持つ業者か、市町村から委託を受けた業者に依頼するのが原則です。なお、焼けた建物の中は崩れるおそれがあるため大変危険です。片付けのために無理に立ち入らないでください。
火事にあった家の解体で注意することは?
- 焼けた建物に立ち入らない
柱や梁が燃えて弱くなり、崩れるおそれがあります。貴重品を取り出したい場合なども、無理をせず業者や消防署に相談しましょう。 - 石綿(アスベスト)の事前調査
火災にあった建物でも、解体工事を行う以上、通常と同じく石綿の事前調査が必要です。詳しくは「アスベストとは?事前調査義務化と費用を解説」をご覧ください。 - 近隣への配慮
火災のあとは、近隣の方も不安を感じています。工事の前の挨拶や、ほこり・においへの配慮がより大切になります。近隣挨拶については「解体工事の近隣挨拶」で解説しています。 - 解体後の滅失登記
建物を解体したら、原則として解体から1か月以内に、法務局へ建物滅失登記を申請します(不動産登記法57条)。手続きは「建物滅失登記とは?」で解説しています。
空き家の火災を防ぐための管理については「遠方の実家を空き家放置するリスク~空き家火災が警告する所有者の重い責任」もあわせてご覧ください。
まとめ
- 火事にあった家の解体は、消防署の手続きと保険会社への連絡を先に済ませてから進める
- 岡山市では、火災損害届を火災からおおむね7日以内に、管轄の消防署などへ提出する
- り災証明書は、保険請求・固定資産税・焼けた物の処分・滅失登記などで使う。岡山市では即日交付・手数料無料
- 火災保険では、契約によって片付けや取り壊しの費用が補償に含まれることがある。上限や扱いは契約内容を確認する
- 解体・片付けの前に保険会社に確認し、被害の様子を写真で残しておく
- 解体後は、原則1か月以内(全焼の場合は全焼した日から1か月以内)に建物滅失登記を申請する
Q&A
-
火事にあった家は、すぐに解体してもいいですか?
-
先に、消防署への火災損害届の提出と、保険会社への連絡を済ませましょう。保険会社が損害の状況を確認する前に解体してしまうと、被害の状況を説明しにくくなります。解体を始めてよいか、保険会社に確認してから進めるのが安心です。
-
岡山市でり災証明書をもらうには、どうすればいいですか?
-
まず、火災のあった日からおおむね7日以内に、管轄の消防署などへ火災損害届を提出します。り災証明書は、管轄以外の消防署・消防出張所でも申請・受け取りができ、即日交付・手数料無料です。本人確認書類を持参し、親族以外の代理人が申請する場合は委任状を用意しましょう。
-
火災保険で解体費用は出ますか?
-
契約内容によっては、焼け残った物の片付けや、建物の取り壊しにかかる費用が補償に含まれることがあります。ただし、支払われ方や上限は保険会社や契約した時期によって異なります。保険証券や約款を確認し、保険会社に問い合わせてください。
-
焼けた家財は、普通のごみとして出せますか?
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扱いは自治体によって異なります。岡山市消防局の資料では、焼けた物を処分するときのり災証明書の提出先として市役所環境事業課が挙げられているので、処分の方法は環境事業課に確認しましょう。
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半焼の家でも、全部解体しないといけませんか?
-
建物の傷み具合によって、修理して使い続けるか、解体するかの判断は変わります。焼けた部分だけでなく、煙や消火の水による傷みもあるため、建物の状態を専門家に見てもらったうえで、保険会社とも相談して決めましょう。
参考にした情報
- 火災損害届・り災証明書:岡山市消防局「火災損害届とり災証明書・り災届出証明書について」(PDF)
- 火災損害届のWeb受付(中区):岡山市「り災証明書発行及び火災損害届Web受付について」
- 火災保険の費用保険金:損保ジャパン「費用保険金」、損保ジャパン「残存物取片づけ費用保険金の取扱変更に関するご案内」
- 建物滅失登記の申請期限(第57条):e-Gov法令検索「不動産登記法」
おまかせ解体では、火災にあった建物の解体についてのご相談も承っています。保険会社への提出書類として見積書が必要な場合なども、お気軽にご相談ください。
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