解体後の土地でアパート経営を始めるには?建築費用・坪単価・利回りなど解説【岡山版】

解体して更地になった土地の活用方法として、誰しもが一度は検討するのが賃貸アパート経営です。すでに「解体後の土地はどう活用する?」でも簡単に触れていますが、この記事ではアパート経営について、始め方の流れ・建築費用・利回りの考え方をもう少し詳しく解説します。
まずはアパート経営についてのまとめ
- 始め方の流れ
《エリアの賃貸需要調査→建築プラン検討→資金計画→着工→入居者募集》という順に進むのが一般的です。最初の需要調査は特に重要です。 - 建築費用
構造によって坪単価が異なります。国土交通省「建築着工統計調査」(令和6年・貸家×共同住宅)では、全国平均は坪約96.4万円、木造は坪約68.6万円です。 - 地域差
同じ統計の都道府県別データでは、岡山県は坪約87.8万円で、全国平均(約96.4万円)よりやや低い水準です。 - 総事業費
上記の坪単価は工事費予定額(本体工事費+設備費)の目安で、その他、外構・地盤改良などの付帯工事費や設計料、諸経費は別途かかります。 - 利回り
判断の目安としては、実質利回りで最低3%程度、理想は5%程度とされることが多いです(業界目安)。 - 資金調達
多くの場合、事業性の「アパートローン」を利用します。金利は変動でおおむね1%台〜4%台が目安です(2025年時点、今後変わり得ます)。
※本記事の数値は2026年10月時点で確認できた情報です。金利や建築費は変動するため、実際に検討する際は最新の情報をご確認ください。
アパート経営は、どんな流れで始める?
更地からアパート経営を始めるまでの、おおまかな流れは次の通りです。
- 周辺エリアの賃貸需要を調査する(人口動態、競合物件の空室状況など)
- 建築プランの検討(間取り・戸数・構造)とハウスメーカー・建築会社の選定
- 資金計画の検討(自己資金・アパートローンの借入額)
- 建築確認申請、着工
- 完成後、入居者募集・管理会社の選定
特に最初のエリア調査を軽視すると、完成後に入居者が集まらないというリスクにつながるため、着工前の需要調査が重要です。

アパートの建築費用は、構造によってどれくらい違う?
アパートの建築費用は、構造によって坪単価が大きく異なります。国土交通省「建築着工統計調査」(利用関係:貸家、建て方:共同住宅、令和6年=2024年分)の集計データでは、次のようになっています。
| 構造 | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 全国平均(全構造込み) | 約96.4万円/坪 | 貸家・共同住宅全体の平均です。 |
| 木造 | 約68.6万円/坪 | 全構造のなかで最も廉価な水準です。自重が軽く基礎工事を抑えやすいこと、短工期で施工できることが要因とされています。 |
| 鉄骨造 | 約105.3万円/坪 | 木造より坪単価は高くなります。 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 約103.9万円/坪 | 鉄骨造とほぼ同水準です。 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 約110.2万円/坪 | 主要構造のなかで最も高い水準です。 |
建築費用は、構造だけでなく戸数・設備のグレード・立地条件によっても変わるため、上記はあくまで目安として捉え、複数のハウスメーカーから相見積もりを取ることをおすすめします。
岡山県の建築費用は、全国平均と比べてどう?
同じ統計の都道府県別データ(貸家・共同住宅、全構造込み、令和6年)で比較すると、次のようになります。
| 地域 | 坪単価の目安 |
|---|---|
| 全国平均 | 約96.4万円/坪 |
| 東京都 | 約127.4万円/坪 |
| 岡山県 | 約87.8万円/坪 |
| 広島県 | 約92.1万円/坪 |
| 島根県 | 約103.3万円/坪 |
| 山口県 | 約91.7万円/坪 |
| 北海道 | 約65.3万円/坪 |
岡山県(約87.8万円)は全国平均(約96.4万円)よりはやや低い水準です。東京都(約127.4万円)と比べると3割以上も低いですね。
一方、北海道(約65.3万円)よりは高くなっています。このような地域差が生まれる要因としては、1戸あたりの床面積(都市部は単身者向けワンルームが多く床面積が小さい分、設備の配置密度が上がり坪単価が上がりやすい)や、施工現場の条件(都市部は前面道路が狭く、重機の搬入や近隣対策にコストがかかりやすい)などが考えられます。

坪単価だけで総事業費を見積もってよい?
ここまでの坪単価は、あくまで「工事費予定額」(主体工事費+電気・給排水等の設備費)の目安であり、外構工事や地盤改良などの付帯工事費、消費税、設計・各種申請の諸経費は含まれていません。実際にアパート経営を始めるための総事業費は、これとは別の費用が加わります。
目安の一つとして、建築費に関するメディアでは、設計料を建築工事費の5%程度(平均値)、その他諸費用を建築工事費の10%程度とする例が紹介されています。ただし、これは計算例として示されたものであり、付帯工事費など個別の内訳まで統一的なデータがあるわけではありません。実際の総事業費は、土地の状況(地盤や既存インフラの状態)によっても変わるため、坪単価だけで判断せず、ハウスメーカーや工務店から総事業費ベースの見積もりを取ることをおすすめします。
アパート経営の「利回り」は、どう考える?

アパート経営の収益性を判断する指標として、「利回り」がよく使われます。
表面利回りとは?
年間の家賃収入を物件価格(建築費用+土地取得費用など)で割った数値です。
計算がシンプルなため物件比較には便利ですが、管理費や修繕費などのコストは考慮されていません。
実質利回りとは?
年間の家賃収入から管理費・修繕費・固定資産税などの年間コストを差し引いたうえで、物件価格で割った数値です。
実際の収益性を判断する際は、表面利回りだけでなく実質利回りも確認することが重要です。
利回りの目安はどれくらい?
不動産・土地活用系のメディアでは、新築アパートの実質利回りの目安として、最低でも3%程度、理想は5%程度とされることが多いです。
これは統計的な一次データではなく、業界でよく使われる目安である点にご留意ください。また、地方は都市部より利回りが高く算出されやすい一方、その分空室リスクなど別のリスクとのバランスで考える必要があります。
空室リスクにはどう備える?
アパート経営で最大のリスクは空室です。
空室が続くと家賃収入が入らない一方で、ローンの返済や固定資産税の支払いは続きます。空室リスクを抑えるには、需要のあるエリアを選ぶことに加えて、入居者募集や建物の維持管理を管理会社に委託することも一般的です。管理会社に委託する場合、家賃収入の数%程度が管理手数料としてかかります。
資金調達の「アパートローン」とは?
アパート建築には多額の費用がかかるため、多くの場合「アパートローン」と呼ばれる事業性の融資を利用します。
住宅ローンとは異なり、金融機関は物件の収益性(家賃収入で返済できるか)を審査の重要なポイントとします。
金利は、2025年時点の情報では変動金利でおおむね1%台〜4%台とされ、目安としては2%前後という情報が複数見られます。ただし、金利は今後の金融政策によって変動する可能性があるため、実際に検討する際は金融機関に最新の条件を確認してください。
自己資金の割合や、他の借入状況によっても借入条件が変わるため、複数の金融機関に相談し、条件を比較することをおすすめします。
まとめ
アパート経営を検討する際のポイントをまとめます。
- 着工前のエリア需要調査が、空室リスクを避けるための第一歩
- 建築費用は構造(木造・鉄骨造・RC造・SRC造)によって坪単価が大きく異なる(令和6年の統計では全国平均約96.4万円/坪、木造約68.6万円/坪〜SRC造約110.2万円/坪)
- 岡山県の坪単価は約87.8万円で、全国平均(約96.4万円)よりやや低い水準
- 坪単価は「工事費予定額」(本体工事費+設備費)の目安であり、外構・地盤改良などの付帯工事費や設計料、諸経費は別途かかる
- 収益性は表面利回りだけでなく、コストを差し引いた実質利回りで判断する(目安は最低3%程度、理想5%程度)
- 資金調達は住宅ローンとは異なる「アパートローン」を利用するのが一般的で、金利は変動しうる
Q&A
-
アパートの建築費用は、木造と鉄骨造でどれくらい違いますか?
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国土交通省の建築着工統計調査(令和6年、貸家・共同住宅)では、木造が坪約68.6万円、鉄骨造が坪約105.3万円となっており、鉄骨造の方が坪単価は高くなります。ただし実際の費用は戸数や設備のグレードによっても変わるため、目安としてご覧ください。
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坪単価がそのまま総事業費になりますか?
-
いいえ。坪単価は「工事費予定額」(本体工事費+設備費)の目安で、外構工事や地盤改良などの付帯工事費、設計料、諸経費、消費税は含まれていません。建築費に関するメディアでは、設計料を建築工事費の5%程度、その他諸費用を10%程度とする計算例もありますが、これは一例であり、総事業費は土地の状況によっても変わります。ハウスメーカーなどから総事業費ベースの見積もりを取ることをおすすめします。
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実質利回りは何%あれば安心ですか?
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不動産・土地活用系のメディアでは、新築アパートで最低3%程度、理想は5%程度が目安とされることが多いです。ただし一次統計ではなく業界目安であり、エリアや物件によって適正水準は変わります。
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アパートローンの金利はどれくらいですか?
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2025年時点の情報では、変動金利でおおむね1%台〜4%台、目安として2%前後とされることが多いです。ただし金利は今後の金融政策によって変わる可能性があるため、検討時には金融機関に最新の条件を確認してください。
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空室が続いた場合、どんな対策がありますか?
-
需要のあるエリアを事前に選ぶことに加え、入居者募集や建物の維持管理を管理会社に委託する方法があります。委託する場合、家賃収入の数%程度が管理手数料としてかかるのが一般的です。
参考にした情報
- 構造別・都道府県別の坪単価(令和6年=2024年分、利用関係:貸家、建て方:共同住宅):政府統計の総合窓口 e-Stat「建築着工統計調査 建築物着工統計 第34表」(国土交通省)のデータをもとに、1㎡あたり工事費予定額×3.3で坪単価を算出
- 「工事費予定額」の定義(付帯工事費等が含まれない旨):国土交通省「建築着工統計調査の用語の解説」
- アパート経営の利回りは何%?相場・平均と最低ライン(実質利回りの目安について)
- アパートローン金利についての複数の不動産投資メディアの記述(2025年時点の情報)
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