相続した空き家の不用品処分|岡山で失敗しないための3つの注意点

親が亡くなり、実家の片付けを任された——。
その気持ちはわかります。でも「良かれと思ってやった」行動が、後に多額の借金を丸ごと引き継ぐ原因になったり、刑事罰を招いたりするケースが実際に起きています。
この記事では、岡山市・倉敷市で相続した空き家の不用品を処分する際に「絶対に知っておくべき3つのリスク」を、解体・産廃処理のプロとして20年以上岡山の現場に関わってきた立場から、正直にお伝えします。
リスク1:「良かれと思って捨てた」が、借金ごと相続の引き金になる
相続が発生した後、実家の片付けに手をつける前に必ず知っておきたいのが、民法921条の「単純承認」というルールです。
「単純承認」とはどういうことか
被相続人(亡くなった親)に多額の借金があった場合、相続人は「相続放棄」をすることで、その借金を引き継がずに済みます。
ところが、相続財産の一部を「処分」してしまうと、自動的に「すべての財産(借金も含む)を引き継ぐ」という意思表示をしたとみなされてしまうのです。これを「単純承認」といいます。
単純承認は一度成立すると、取り消すことができません。「まさかそんな借金があるとは思わなかった」という後悔が、後から発覚する事態を招くことになります。
何をしたら「処分」になるのか——判断の目安
実際の裁判例を含め、以下のように整理されています。
| 行為・品目 | 法的判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 貴金属・美術品・高級品の売却や換金 | ⚠️ NG(単純承認) | 所有者として権利行使とみなされる |
| 預貯金の解約・名義変更・借金の返済 | ⚠️ NG(単純承認) | 財産の性質を変え自己消費する行為 |
| 自動車の名義変更・売却・廃車手続き | ⚠️ NG(単純承認) | 資産価値のある動産の処分に該当 |
| 腐敗した食品・古新聞・着古した衣類の廃棄 | ✅ OK(保存行為) | 衛生維持・財産価値を保つ行為と解釈 |
| 写真・位牌・仏壇・安価な身の回り品(形見分け) | ✅ OK | 社会通念上、経済的価値が乏しいもの |
| 通帳・証券・重要書類の捜索・整理 | ✅ OK(相続調査) | 相続判断のための情報収集に該当 |
注意が必要なのは、「価値があるかどうか」の判断が難しい点です。
新品同様のスーツを持ち帰っただけで単純承認と認めた判例があります。
相続放棄を検討しているなら、たとえリサイクルショップで数百円になる程度の家具でも、弁護士・司法書士に相談するまで触れないのが最も安全です。

解体や整理の作業に入る前に、まず「相続をどうするか」の方針を決めてください。相続放棄を検討中であれば、専門家(弁護士・司法書士)に相談した上で、許可業者に作業を委託するかどうかを判断することをお勧めします。
リスク2:「安いから」で選んだ業者が、あなたを犯罪者にする
「無料で回収します」「格安で片付けます」——
軽トラックで巡回するような業者に、実家のゴミを処分してもらうのは危険です。これは脅かしではなく、廃棄物処理法に定められた現実のリスクです。
なぜ「許可」が必要なのか
家庭から出るゴミ(一般廃棄物)を収集・運搬するには、各市区町村から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を個別に受けていなければなりません。「産業廃棄物の許可は持っている」「古物商の資格がある」という業者でも、家庭ゴミを回収することはできないのです。岡山県内にも、このルールを知らずに(あるいは知りながら)違法回収を行っている業者が存在します。
排出者(依頼した側)にも罰則が及ぶ
「依頼した業者が悪い、自分は関係ない」とはならないのが廃棄物処理法の怖いところです。
- 無許可業者への委託:廃棄物処理法第25条に基づき、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金(またはその併科)
- 業者が不法投棄をした場合:「異常に安い処理費用で委託した時点で予見できた」として、排出者も共犯として責任を問われた判例があります(平成29年)
リスク3:倉敷市の「一時多量ごみ制度」を知らずに動くと詰む
「岡山市と同じように処分できると思っていた」——倉敷市に実家がある方からよく聞く声です。
倉敷市には岡山市にはない独自のルールがあり、知らずに動くと手続きが止まったり、やり直しが発生したりすることがあります。処分方法は大きく2つのルートに分かれており、どちらを選ぶかで手順がまったく異なります。
倉敷市の処分ルートは2つある
倉敷市で遺品整理等の大量ごみを処分する方法は、大きく2つに分かれます。どちらのルートを選ぶかで、手続きの複雑さがまったく異なります。
【Aルート:許可業者に委託する場合】
行政への申請・市職員の現地確認が必要な「一時多量ごみ制度」を利用します。手順を省略することはできません。
| 手順 | 内容 | 注意事項 |
|---|---|---|
| ①相談 | 資源循環推進課へ事前相談 | いきなり業者を呼んで積み込みは不可 |
| ②契約 | 市許可の特定業者(20社限定)と締結 | 相見積もり推奨 |
| ③申請 | 市に申請書を提出し「一時多量ごみシール」を受領 | シールなしのゴミは回収不可 |
| ④分別 | 市のルールに従い袋詰め・シール貼り | 粗大ゴミには粗大ごみ処理券が別途必要 |
| ⑤現地確認 | 市職員が現地訪問・分別の適否を確認 | 【重要】原則として利用者の立ち会いが必要 |
| ⑥搬入 | 「搬入承諾書」発行後、業者が処理場へ運搬 | 運搬費は業者に支払う |
特に遠方に住む方にとって最大の壁となるのが「⑤市職員による現地確認への立ち会い」です。一度だけの帰省でこの手順を完結させるには、事前に業者と綿密な日程調整が必要です。
【Bルート】自分で分別して環境センターへ持ち込む
業者を使わず自己搬入する場合は、5種分別の上、最寄りの環境センターへ直接持ち込むだけで完結します。申請・立ち会い等の行政手続きは不要です。なお、ごみステーションへの大量一括排出は他の利用者の迷惑となるため禁止されています。
岡山市の場合は?
岡山市では、市の許可業者に直接依頼するか、クリーンセンターへ自己搬入する方法が基本です。ただし自己搬入は1日1車両まで・複数回や複数台は禁止という制限があります。
許可業者への委託が現実的な選択肢となることが多いです。
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