石綿とアスベストの違いは?ロックウール(岩綿)との違い・見分け方【解体業者が解説】

石綿とアスベストは、同じものです。
石綿は「いしわた」「せきめん」と読む日本での呼び名で、法律でも「石綿」と書かれます。一方、名前や見た目が似ているロックウール(岩綿:がんめん)は、岩石や高炉スラグを溶かして作る人工の繊維です。ロックウールとアスベスト(石綿)とは別物です。
この記事では、岡山の解体工事専門店「おまかせ解体」が、石綿・アスベスト・ロックウールの違いと、見た目で見分けられるのか、解体の前に何をすべきかを解説します。
この記事の結論
- 石綿=アスベスト
同じものを指します。呼び名が違うだけです。天然に産する繊維状の鉱物で、日本では2006年に使用が禁止されました。 - ロックウール(岩綿)は別物
ロックウールは工場で作る人工の鉱物繊維で、禁止されたアスベストに代わり、断熱材・吸音材として今も使われています。繊維はアスベストより太く、国際がん研究機関(IARC)の分類も異なります。 - 見た目では見分けられない
特に1961〜1987年に製造された吹付けロックウールには、アスベストを含むものがあります。判断には調査が必要です。 - 解体前の調査はすべての工事で必要
建物の大きさや建てられた年に関係なく、解体工事ではアスベストの事前調査が必要です。
石綿とアスベストの違いは?
石綿とアスベストに違いはありません。
どちらも、天然に産する繊維状の鉱物を指す言葉です。厚生労働省も「石綿(アスベスト)は天然に産する繊維状の鉱物で、『せきめん』『いしわた』と呼ばれる」と説明しています。
日本の法律では「石綿」という言葉が使われ、たとえば「石綿障害予防規則(石綿則)」のように、法令の名前にも入っています。一方、日常会話や報道では「アスベスト」と呼ばれることが多く、「石綿(アスベスト)」と並べて書かれることもあります。これらは呼び方が違うだけで、指しているものは同じです。
アスベストそのものの性質や、解体工事での事前調査の義務については、アスベストとは何か、事前調査の義務と費用で詳しく解説しています。
石綿(アスベスト)とロックウール(岩綿)の違いは?
「石綿(いしわた)」と「岩綿(がんめん)」は字面が似ていて、どちらも綿のような繊維なので混同されがちですが、まったく別の素材です。ロックウール工業会の資料をもとに、違いを表にまとめました。
| 項目 | 石綿(アスベスト) | ロックウール(岩綿) |
|---|---|---|
| 読み方・別名 | いしわた・せきめん | がんめん(スラグウールとも) |
| 正体 | 天然に産する鉱物の繊維(6種類) | 岩石や高炉スラグを溶かして工場で作る人工の鉱物繊維 |
| 繊維の太さ | ロックウールの数十分の一〜数百分の一(呼吸器に入りやすい) | 平均3〜6μm(呼吸器に入りにくい) |
| IARCの発がん性分類 | グループ1「ヒトに対して発がん性がある」 | グループ3「ヒトに対する発がん性について分類できない」 |
| 今の使用 | 2006年から禁止 | 断熱材・吸音材・耐火被覆材として使用されている |
| 解体するとき | 石綿障害予防規則・大気汚染防止法にもとづく対策が必要 | アスベストを含まないものなら、石綿としての規制はない |
出典:ロックウール工業会「ロックウールとアスベストの違い」(2025年1月22日改訂)、厚生労働省「IARC(国際がん研究機関)の評価区分について」
「天然の鉱物」と「工場で作る繊維」
根本的な違いは、その繊維が自然にできたものか、人が作ったものかという点です。石綿は、地中から掘り出される天然の鉱物の繊維です。熱や薬品に強く、安価だったことから、かつては建材のさまざまな場所に使われていました。
一方のロックウールは、岩石や製鉄の副産物である高炉スラグを高温で溶かし、繊維状にしたものです。
いわば、岩石から作った綿菓子のようなものです。アスベストの代わりに使われる材料として、また断熱・吸音材として、今の建物にも広く使われています。「アスベストの代替品は?」と聞かれたときの代表的な答えの1つが、このロックウールです。
体への影響の違い
アスベストの繊維は非常に細く、吸い込むと肺の奥まで入り込みやすいとされています。ロックウール工業会の資料では、アスベストはロックウールの数十分の一〜数百分の一の細さで、ロックウールの繊維(平均3〜6μm)は呼吸器に入りにくいとしています。
国際がん研究機関(IARC)の分類でも、アスベストは「ヒトに対して発がん性がある」グループ1、ロックウールは「ヒトに対する発がん性について分類できない」グループ3と、扱いが異なります。ロックウール工業会は、ロックウールが分類されているグループ3を「お茶と同じグループ」、アスベストが分類されているグループ1を「喫煙と同じグループ」と説明しています。ただし、ロックウールも大量に吸い込むことは避けるべきで、工事では粉じん対策を行います。
ロックウールとアスベストは見た目で見分けられる?
見た目だけで見分けることは、専門家でも難しいとされています。特に注意が必要なのが、ビルの梁や柱、駐車場の天井などに、灰色の綿のように吹き付けられた「吹付けロックウール」です。
かつては施工しやすくするために、アスベストを混ぜた吹付けロックウールが作られていました。
国土交通省の資料によると、石綿含有吹付けロックウールの製造時期は1961(昭和36)年〜1987(昭和62)年です。
見た目はアスベストを含まない吹付けロックウールとほとんど変わらないため、建物の年代が古い場合は、「ロックウールだから大丈夫」とは言えません。建築基準法でも、アスベストを0.1%を超えて含む吹付けロックウールは、吹付けアスベストと並んで飛散のおそれのある建材とされています。吹付け材の注意点は、吹付けアスベストの特徴と危険性、調査の重要性でも解説しています。
見分けるための主な手がかりは次のとおりです。
| 手がかり | 確認できること |
|---|---|
| 建物が建てられた年・改修した年 | アスベストを含む建材が作られていた時期に当たるか |
| 設計図書・建材の製品名 | 使われている建材の製品名やメーカーが分かれば、アスベストを含む製品かどうかを調べられる |
| 専門家による分析調査 | 建材の一部を採取して分析し、アスベストが含まれているかを確かめる |
なお、ご自身で削ったり剥がしたりして確かめるのは大変危険です。アスベストを含んでいた場合に飛び散るおそれがあるので避けてください。
解体やリフォームの前に何をすればいい?
建物を解体・改修する工事では、建物の大きさや建てられた年に関係なく、アスベストの事前調査が必要です。調査結果の国などへの報告は、解体部分の床面積の合計が80㎡以上の建物の解体工事などが対象です(厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト)。
調査の結果、アスベストが含まれていれば、石綿障害予防規則や大気汚染防止法にもとづいて、飛散を防ぐための対策をとりながら除去しなくてはなりません。
アスベストを含む建材があると、除去の費用が解体費用に加わるため費用が跳ね上がります。詳しくはアスベスト解体の費用相場と補助金もあわせてご覧ください。関係する法律は、石綿障害予防規則(石綿則)の内容と大気汚染防止法のアスベスト規制で解説しています。
まとめ
- 石綿とアスベストは同じもの。石綿は日本での呼び名で、法律でも使われる
- ロックウール(岩綿)は、岩石や高炉スラグから工場で作る人工の繊維で、アスベストとは別物。アスベストの代替品として使われている
- IARCの分類は、アスベストがグループ1、ロックウールがグループ3
- 1961〜1987年に製造された吹付けロックウールには、アスベストを含むものがある。見た目では見分けられない
- 解体工事では、建物の大きさや年代に関係なく、アスベストの事前調査が必要
Q&A
-
石綿とアスベストは何が違うのですか?
-
違いはありません。どちらも天然に産する繊維状の鉱物を指す言葉で、石綿(いしわた・せきめん)は日本での呼び名です。法律では「石綿」と書かれ、日常的には「アスベスト」と呼ばれることが多くなっています。
-
ロックウールはアスベストの一種ですか?
-
いいえ。ロックウール(岩綿)は、岩石や高炉スラグを溶かして工場で作る人工の鉱物繊維で、天然の鉱物であるアスベストとは完全に別物です。ただし、1961〜1987年に製造された吹付けロックウールには、アスベストを混ぜたものがあるため規制の対象となります。
-
ロックウールとアスベストは見た目で見分けられますか?
-
いいえ。見た目だけで見分けるのは困難です。アスベストを含む吹付けロックウールは、含まないものと見た目がほとんど変わりません。建てられた年や設計図書を確認し、必要に応じて専門家に分析調査を依頼してください。
-
アスベストの代わりに使われている材料は何ですか?
-
代表的なものの1つがロックウールです。断熱材・吸音材・耐火被覆材として、アスベストの使用が禁止された後も広く使われています。
-
新しい家ならアスベストの調査はいりませんか?
-
解体・改修工事では、建てられた年に関係なく事前調査が必要です。新しい建物では、設計図書などで使われている建材を確認することで、調査を進めやすくなります。
参考にした情報
- 石綿(アスベスト)の定義と呼び方:厚生労働省「石綿(アスベスト)とは?」
- ロックウールとアスベストの違い:ロックウール工業会「ロックウールとアスベストの違い」(PDF、2025年1月22日改訂)
- IARCの評価区分(ロック・ウール=グループ3):厚生労働省「IARC(国際がん研究機関)の評価区分について」
- IARCの分類の定義:農林水産省「IARC発がん性分類について」
- 石綿含有吹付けロックウールの製造時期:東京都「アスベスト含有建材」パンフレット(PDF、製造時期は国土交通省「目で見るアスベスト建材(第2版)」による)
- 事前調査と結果の報告:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「石綿事前調査結果報告システムについて」
「おまかせ解体」では、アスベストの事前調査が必要な解体工事のご相談も承っています。古い建物の天井や梁に「これってアスベスト?」という建材があれば、ご自身で触らず、お気軽にご相談ください。
お気軽にお問い合わせください。0120-140-001受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]
メールでお問い合わせ

