特定空き家と管理不全空き家の違い

近年、全国的に空き家の増加が深刻化する中で、行政が「危険な空き家」への対応を強化しています。
2023年の法改正により、従来の「特定空き家」に加えて、新たに「管理不全空き家」という区分が設けられました。
この2つの違いを理解しておくことは、空き家を所有する方にとって非常に重要です。
特定空き家とは
「特定空き家」とは、倒壊の危険や衛生・景観・防犯上の問題があるなど、著しく管理が行き届いていない空き家を指します。
これは「空家等対策特別措置法」に基づき、市区町村が現地調査のうえで指定します。
特定空き家に該当する主な状態
- 建物が傾いたり屋根や外壁が崩れかけている
- ごみの放置や悪臭・害虫の発生がある
- 雑草や樹木が繁茂し景観を著しく損なっている
- 周囲の生活環境に悪影響を与えている
指定されると、指導・勧告・命令・行政代執行(強制撤去)などの措置が取られる可能性があり、さらに固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1軽減)が解除される場合もあります。
管理不全空き家とは
「管理不全空き家」は、2023年の法改正で新たに定義された区分です。
これは、現時点では危険とまでは言えないが、このまま放置すると特定空き家になるおそれがある状態を指します。
管理不全空き家の例
- 外壁の一部が劣化・はがれかけている
- 雑草が伸び放題で見通しが悪い
- 郵便物があふれており、長期間放置されている様子が見られる
この段階では、行政が助言や指導、必要に応じて勧告を行い、所有者に早期の改善を促します。
重大な危険状態になる前に対応を促す「予防的な制度」です。
両者の違い(比較表)
特定空き家と管理不全空き家の違いを表にまとめました。
| 項目 | 管理不全空き家 | 特定空き家 |
| 状況の程度 | 劣化が進みつつある | 倒壊・衛生・景観など重大な問題あり |
| 法的根拠 | 空家等対策特別措置法(改正2023年) | 空家等対策特別措置法(2015年施行) |
| 行政の対応 | 助言・指導・勧告 | 指導・勧告・命令・代執行(解体など) |
| 固定資産税の扱い | 原則として特例のまま | 優遇措置が解除(税額が最大6倍に) |
| 目的 | 危険化の予防 | 危険状態の是正・除却 |
所有者が取るべき対応
空き家は「使わないから放置する」ではなく、適切な管理や早期の判断が重要です。
行政の指導対象となる前に、
- 定期的な点検・清掃
- 草木の除去・雨漏りの確認
- 解体・改修・売却の検討
といった対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。
日本クレストでは、こうした空き家の安全な解体工事や適正処理・再資源化にも対応しています。
必要に応じて不動産業者や士業の先生のご紹介も可能ですので、老朽化が進む前に、まずはご相談ください。
まとめ
「管理不全空き家」は、特定空き家に指定される一歩手前の段階です。
放置してしまうと行政指導の対象となり、税負担や撤去費用などが大きくなる可能性があります。
早めの対処が、結果的にご自身と地域を守ることにつながります。
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