空き家問題~増える空き家の現状と対策

全国的に深刻化する「空き家問題」。日本クレストの拠点である岡山でも、相続や管理の難しさから放置される空き家が増えています。この記事では、空き家問題の現状や原因、2030年問題・2025年の動向、そして実際の対策や事例をわかりやすく紹介します。
空き家問題の現状
全国で増え続ける空き家。総務省の統計によると、全国の住宅の約13%が空き家となっており、それは今後も増加傾向にあります。岡山県でも空き家率は16%を超えて全国平均を上回っており、倉敷市や瀬戸内市などでも深刻な問題です。
空き家がもたらす影響
空き家がなぜ問題視されるかというと、放置しておけば必ず悪い方向へと事態が展開してしまうからです。
- 景観の悪化や防犯リスクの増加
- 火災・倒壊などの危険性
- 相続や税金負担のトラブル
人が住んでいない家は老朽化が加速度的に進んでしまいます。「まぁしばらくは大丈夫だろう」と思っていても、空き家は1~2年でビックリするくらい傷んでしまうものなのです。
岡山県内での特徴
2024年4月に公開された最新の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家総数は約900万戸となり過去最多を記録しました。岡山県の空き家数は約157,200戸、空き家率は16.44%で、全国平均の13.8%を上回っています。
「岡山県の空き家事情」より
地方都市では高齢化や人口流出が進み、親の家を引き継いでも使い道がないケースが増えています。岡山市や倉敷市でも、中心部や観光地から少し離れた住宅地で放置住宅が増加中です。岡山県下で見ると、県央や県北部はほぼ全域で過疎指定されており、空き家の増加は今後避けられないと思われます。
全国過疎地域連盟HPより
こうした状況を受け、岡山市や倉敷市などの自治体では、空き家の解体費用を一部支援する補助金制度も稼働しています。
空き家問題の原因~なぜ放置されるのか
相続後の管理負担
親と別居している人が親の家を相続しても、生活の場が違っていれば放置されてしまいます。ましてや、東京や大阪など、岡山を離れて暮らしている人はどうすることもできず、「とりあえず、、、」という感じで放置されてしまいます。
売却・解体コストの高さ
空き家を「売る」「壊す」という選択肢は多くの所有者にとって現実的な解決策ですが、実際にはそのハードルが高く、なかなか決断できないのが現状です。
まず、売却については、立地や築年数によって大きく条件が変わります。岡山や倉敷のような地方都市では、駅から遠い物件や老朽化した木造住宅は買い手がつきにくく、「更地にしないと売れない」 ケースも少なくありません。この場合は売却の前段階で解体費用が発生することになります。
一方で、解体には一般的に100〜300万円ほどの費用がかかり、敷地面積や構造によってはさらに高額になることも。
補助金制度を利用しても自己負担が残るため、「いずれやろう」と考えつつ先延ばしになってしまう方も多いのが実情です。
所有者不明化
古い家の場合、登記が数十年前のまま放置されており、すでに名義人が亡くなっているケースが少なくありません。相続が何世代にもわたって進み、相続人が10人以上に分かれていることも珍しくないのが現状です。こうした場合、誰が管理責任を負うのかが曖昧になり、結果として「手をつけられない空き家」として残ってしまいます。
岡山県でも、こうした所有者不明の土地・建物が社会問題になっています。県や市町村が老朽化した建物を撤去したくても、所有者が特定できないために手続きが進まないケースが増えています。特に、地価の安い郊外や中山間地域では連絡が取れない相続人や住所不明の所有者も多く、行政も対応に苦慮しているのが実情です。
この問題に対処するため、2024年には相続登記の義務化がスタートしました。これにより、相続が発生したら3年以内の登記申請が必要となり、怠ると最大10万円の過料が科される可能性もあります。
つまり、「登記を後回しにすること自体がリスク」になったのです。
空き家問題対策~行政と民間の取り組み
国や自治体では、放置空き家を減らすためのさまざまな施策が進められています。
行政の対策
国レベルでは、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」によって、危険な空き家や管理不十分な建物に対し、自治体が助言・指導・勧告・命令・代執行(強制撤去)まで行えるようになりました。
特に、倒壊や火災などの恐れがある建物は「特定空家」に指定され、固定資産税の優遇が外されることもあります。これにより、所有者に対して実質的な管理責任を促す仕組みが整備されています。
岡山県内でもこの法律に基づいた取り組みが進んでおり、倉敷市や岡山市では、老朽化した住宅を撤去する際に「解体費用の一部を補助する制度」を設けています。
例えば倉敷市では、危険度の高い建物の除却に対して上限50万円(または工事費の50%)まで補助が受けられる場合があります。
岡山市でも同様に、老朽家屋の除却・跡地活用を支援する制度があり、申請件数は年々増加傾向にあります。
これらの制度をうまく活用すれば、自己負担を抑えつつ安全に解体を進めることが可能です。
ただし、申請には「現地調査」「見積書」「登記事項証明書」などの書類が必要なため、早めの準備が重要です。
民間の取り組み
手前味噌ですが、日本クレストでは空き家相談・専門家紹介から解体造成までをワンストップで支援しています。
たとえば、「相続した家をどうすべきか」「どんな手続きが必要か」という初期相談から無料でお受けしています。
空き家問題解決策(事例)
空き家問題の根本的な解決策は、全国的に見ても大きく分けて「売る」「貸す」「解体する」の3つしかありません。
どの方法を選ぶかは、立地や建物の状態、そして今後の生活設計によって異なります。
売る場合は、家屋を残したまま中古住宅として売却する方法と、建物を解体して更地にしてから売る方法があります。築年数が古い物件では、買い手が付きやすい「更地販売」が選ばれるケースも多く見られます。
貸す場合は、現状のままで賃貸に出す方法のほか、リフォームやリノベーションを施して住める状態にしてから貸す方法もあります。最近では「改築可」や「DIY可」として販売・賃貸に出すケースも増えており、空き家を新しい価値で再生する動きが広がっています。
そして解体する場合は、老朽化による倒壊・火災リスクを根本から取り除き、安全で管理しやすい更地として所有し続ける方法です。固定資産税の負担は残るものの、放置による損害リスクを防ぐ効果があり、次の活用(駐車場・売却・建替え)への準備にもつながります。
このように、空き家をめぐる問題の解決は、最終的に「売る」「貸す」「解体する」のいずれかを選択して行動に移すことが不可欠です。
日本クレストでは、これらの選択肢を比較・検討するための相談にも対応しており、岡山県下の専門家の紹介から解体・整地までワンストップで支援しています。
空き家問題のビジネス~新しい活用の形が広がる
近年、空き家を「負動産」ではなく「資産」として再活用する動きが進んでいます。
新しいビジネスの例
- 古民家をリノベーションしたカフェ・宿泊施設
- シェアオフィスや地域拠点化
- 移住促進や企業誘致の活用
岡山県内でも、自治体と民間が連携し、空き家を地域再生に活かすプロジェクトが増えています。
2025年の空き家問題状況
2025年現在、日本国内では空き家が増加の一途をたどっており、社会的な課題としてますます顕在化しています。住宅総数に対して空き家が占める割合は高止まりしており、地方を中心に、管理・利活用が進んでいない物件が目立つようになっています。
特に顕著なのは以下の点です:
- 地方部・中山間地域で人口減少・高齢化が進むなか、空き家の増加ペースが都市部より速くなっている。
- 相続手続きが滞ったまま名義が放置される、所有者が不明のまま管理されていない住宅が増えている。
- 売却・賃貸・解体といった活用に動けている空き家はまだ一部。
このような状況から、2025年は単に空き家の数が増えている年ではなく、「空き家をどう活用・処分すべきかが所有者にとって差が出る時期」とも言えます。放置しておくこと自体が、倒壊・近隣被害・税負担・売却困難といったリスクをはらんでおり、空き家を所有している人にとっては、早期の対応が喫緊の課題です。
空き家の2030年問題
2030年には、日本の空き家が約1,500万戸・空き家率20%に達すると予測されています。
人口減少と高齢化が進み、使われない家が増える一方で、管理できる人が減っていくためです。
特に問題となるのは、相続後に放置された家や所有者不明の土地。都市部でも地方でも、売れない・貸せない・壊せない空き家が急増すると見られています。
この「2030年問題」は、単なる数の増加ではなく、空き家をどう減らし、どう活かすかが問われる時代の到来を意味します。
早めの相談や活用・解体の決断が、今後の大きな差につながります。
空き家問題の今後~持続可能な地域への転換
今後の日本では、空き家を「放置すべき負担」から「地域資源」としてどう再生するかが問われています。
人口減少や高齢化は避けられませんが、空き家を活用して移住促進・地域交流・新たな産業づくりにつなげる動きが広がっています。
一方で、老朽化した空き家を安全に撤去し、土地を次の世代へつなぐことも重要です。
つまり、これからの空き家対策は「壊すか残すか」だけではなく、地域全体で土地や建物をどう生かすかを考える段階に入っています。
持続可能な地域づくりのために、行政・企業・住民が連携し、空き家を未来への資源に変えていくことが求められています。
空き家に関する相談・解体なら日本クレストへ
空き家に関するお悩みは、放置せず早めの相談が解決の鍵です。
日本クレストでは、士業の先生や不動産業者などと連携して対応することも可能です。空き家の相談・解体・活用支援をワンストップで提供しています。
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