解体費用を安くする方法~自社施工業者へ頼む

家や建物を取り壊すとき気になるのが「解体費用」。見積もりを取ってみると、業者ごとに金額が大きく違うこともあり、「どこに頼めばいいのか」と迷う方は多いはずです。そんな中で、費用を抑えるポイントの一つが「自社施工の解体業者」に依頼することです。

解体工事は下請け施工が多い

解体工事は元請けが受注して、実際の作業を下請け業者に任せるケースが少なくありません。中には丸投げしてしまうケースもあるようですが、基本的に、元請けは契約者としてお客様とのやり取りや工事の施工管理を行い、工事が円滑に進むように管理します。

下請けに出すやむを得ない事情

下請けというとネガティブな文脈で語られることが多いですが、土木建設業界、とりわけ解体工事を円滑に進めていくにはやむを得ない側面があります。

これは業界全体に言えることですが、この業界は工事単価が高いものの、年間通して仕事が満遍なくコンスタンスにあるわけではありません。繁忙期には人も重機も足りないのに閑散期には社員に何をさせようかと頭を悩ませたりもするのです。

繁忙期に合わせて人員や重機をそろえていたら経営が成り立たないため、小規模の会社が協力し合って必要な時に必要なだけ人員や重機を融通し合う、という工夫が生まれました。それが下請け構造となっているのです。

下請けに出すとマージンが発生する

工事を下請けにしてもらうということは、下請け会社の作業員に支払う給料などの他に、下請け会社の儲け(利益)も発生するということです。下請け会社も企業である以上、利益を出していかなくてはなりません。しかし、これは発注者からしてみたらマージンが余計にかかってしまう、ということになります。

一方で、自社施工業者は自社の職人や重機で直接工事を行います。間に入る業者がいないため、業者の儲け(中間マージン)がかからず、見積金額を抑えやすいのです。

自社施工業者に頼むメリット

自社施工には以下のようなメリットがあります。

  • 費用が割安になりやすい
    中間業者がいないため、純粋に工事代金だけで済みます。
  • 現場とのやりとりがスムーズ
    情報のやり取りが社内で完結するため、打ち合わせをした内容が直接現場に伝わりやすく、トラブル防止にもつながります。
  • 対応の柔軟さ
    追加の要望や変更があっても、自社で判断できるため対応が早いケースが多いです。

とはいえ完全自社施工は難しい

自社施工かどうかを見分けるには、まずはホームページなどで自社施工を謳っているかどうかをチェックすることです。

既述の通り、自社施工は費用を抑えるアピールポイントでもあるので、自社施工をしているのであれば、通常はしっかりと宣伝文句にしています。

しかし、自社施工を謳っていても、繁忙期など、タイミングによっては下請けに出しているケースもあります。自社施工したいけども手が足りないからやむなく、というケースです。

このあたりは業界では「あるある」の話でもあるので、結局のところは「自社施工を謳っている業者なら安くなる可能性が他社よりも高い」くらいに思っていた方が良いでしょう。人員的に自社施工できるなら安い、他の工事が入っていたら下請けに出すのでそこまで安くはならない、ということです。

自社施工業者の見分け方について、重機を自社保有しているかとか、契約書や許可証の名義がその会社かどうか、とか、ネットではいくつか方法が紹介されていますが、それらもどれも確実に見分ける方法ではありません。

結局のところは自社施工を謳っている業者をピックアップして相見積もりを取る、というのが確実な方法だといえます。

まとめ

解体費用を安くする方法の一つは「自社施工の解体業者を選ぶこと」です。安さだけでなく、打ち合わせや工事の質も安定しやすいため、結果的に安心して任せられるケースが多いです。

見積もりを依頼する際は、必ず「自社施工ですか?」と確認し、信頼できる業者かどうかをしっかり見極めましょう。